洞窟にはいろいろなタイプがあることを前回にお話ししました。見ると聞くとではやはり大きな違いがあります。ハワイにはいくつもの観光洞窟があるので、ぜひ一度は洞窟見学を楽しんでください。
■カウアイ島
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シダの洞窟
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ハワイでもっともよく知られている洞窟といえばカウアイ島のシダの洞窟でしょう。ただし、洞窟というのは大げさで、奥行きが10mほどの岩屋のような空間です。洞窟はワイルア川を少し遡ったところにあるので、水上を移動しなければなりません。船のツアーに参加するか、レンタル・カヌーを漕いで行くことになります。ふつうの体力があり、天候もよければカヌーがお薦めです。行きは川を遡りますが、それほど体力はいりませんから、大自然の雰囲気を味わうにはよいでしょう。映画『ジュラシック・パーク』が制作されたときに島を襲った台風で洞窟のシダ(ボストンタマシダ)はずいぶん吹き飛ばされてしまいましたが、いまはまた往時の緑が復活しています。
カウアイ島にはほかにも、ウエット・ケイブと呼ばれるワイカパラエとワイカナロア、ドライケイブと呼ばれるマニニホロ・ケイブがナパリコーストの近くにあります。さらに東にはすばらしい海食洞窟もありますが、海からでなければ行けないので一般的ではありません。
■ハワイ島
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サーストン・ラバ・チューブ |
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1959年にキラウエア・イキで大噴火があり、空中500メートルもの高さに熔岩を吹き上げました。このときの噴火で流れ出した溶岩が手前の大きなクレーターに流れ込んで、現在見られるような溶岩湖を出現させました。キラウエア・イキの南にあるサーストン・ラバ・チューブもこのときに上昇した熔岩によって作られたものです。当初、洞窟の天井には溶岩鍾乳がありました。高熱で天井の溶岩が垂れ下がり、鍾乳状となったものです。残念ながらそれらはすべて折られてしまい、いまはのっぺりとした空洞が残るのみですが、それでも洞窟の雰囲気は十分に味わうことができます。
サーストン・ラバ・チューブは照明が完備しており、足元も平坦なので、気軽に覗くことができます。天井の熔岩鍾乳はありませんが、注意深く観察すると照明の回りに育った苔類や、天井を押し上げた火山ガスの跡など、いろいろな発見ができるはずです。奥には照明器具の必要な探険コースも用意されています。
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クラカイ・ケイブの入口付近 |
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ハワイ島にはこのほかにも、ヒロにカウマナ・ケイブがあります。この洞窟には照明設備はありませんが、洞窟内には縄状の熔岩や熔岩鍾乳など、熔岩の作り出した見事な造形物があります。懐中電灯持参ででかけてください。ただし、大雨の直後などは入洞禁止となることがありますのでご注意ください。ほかにガイドツアーで探検できる、カウ地区のクラカイ洞窟などがあります。
■マウイ島
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カエレク・ケイブの入口付近
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ヤシの木のコレクションとピイラニ・ヘイアウで知られるハナのカハヌ・ガーデンの近くにカエレク・ケイブという洞窟があります。ここではヘルメットやヘッドランプなどが用意され、ガイドとともにほんものの洞窟探検を楽しむことができます。洞窟のできかたや、洞窟のなかにできるさまざまな形のオブジェなどを、学ぶにはとてもよいところです。英語のみのガイドですが、ことばがよく分からなくても十分に堪能できるはずです。
オアフ島やモロカイ島にも洞窟はありますが、観光洞窟としては公開されていません。いずれの洞窟も、連絡先やアクセス方法などは、滞在先のホテルなどで聞くと良いでしょう。体調を整えてお出かけください。
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