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クリスマス大特集 ハワイの地ビール
Mele Kalikimaka e Hau'oli Makahiki Hou !

近藤純夫

クリスマスはどのようにお過ごしですか? ハワイでは遊ぶ人、仕事の人、教会へ行く人とさまざまですが、その後はあちこちでパーティーが開かれます。そのときの飲み物と言えばビール。ハワイには数多くの地ビール(Microbrewery)があります。機会があれば、ぜひ飲み較べてみてください。

※以下に紹介した評価は個人的なものです。目安としてご利用ください。ビールにはいくつかのタイプがあり、ラベル名からも特徴を予想できます。巻末の解説を参考にしてください。黒字は市販、緑色は店内用、茶色は生産終了を意味します。


Kona Brewing
日本でも一部で飲むことのできるハワイのビールとして、もっともよく知られているのはハワイ島のカイルア・コナにあるコナ・ブルーイングでしょう。ぼくも招待したり、されたり、ひとりで行ったりと、ずいぶん飲みにいきました。軽く、ホップの効いた"Fire Rock"、すっきりとした味わいの"Long Board"、あっさりとした喉ごしの"Big Wave"、軽さが特徴の"Duke’s"、ホップの効いた"Castaway IPA"、バナナ風味の"Hula"、苦みの効いた黒ビールの"Black Sand"、モルトの効いた赤ビールの"Lavaman"、パッションフルーツの香りを効かせた"Lilikoi"の7種を、ノース・コナ・ショッピング・センターにあるコナ・ブルーイングの直営店で飲むことができます。さらに季節限定商品として、"Pacific Golden"や、アイリッシュビール・テイストの"Stout"、ジンジャーの香りを楽しむ"Big Island Ginger Beer"、昔ながらの味わいの"Da Grind Buzz"、ココナッツ味の"Koko Loco Coconut Stout"、かすかにワインの香りが漂う(アルコール度数もワインに似て12.5度)"Old Blowhole Barely Wine"などもあります。


Ali`i Brewing
最近までホノルルにあり、スーパーでも販売していましたが、製造を終了しています。すっきりタイプの"Ale"、それよりは少しコクのある"Golden Ale"、ホップの効いた"Golden"、コーヒー・テイストの"Kona Coffee Stout"、マカダミアナッツ・テイストの"Macadamia Nut Brown"、それをエールにした"Macadamia Nut Brown Ale"、深いコクのある"Pau Hana Porter"、ライトな感覚の"Waimea Wheat Ale"などがありました。


Big Wave Brewing
カウアイ島のカパアにあったビア・レストラン。1998年にオープンしましたが、翌年には製造を止めています。


Gordon Biersch Brewing
パロアルトに本拠を置く会社なので地ビールとは違いますが、アロハタワーのマーケット・プレイスに進出しました。醸造所には店も出しています。軽くキレのある"Golden Export"、 軽い口当たりの"Light"、 喉ごしが軽く甘い"Märzen"、 強くホップの効いた"Pilsner"、適度にモルトを効かせた “Blonde Bock"、モルトが効き、喉ごしの良い"Hefeweizen"、しっかりとした味わいの黒ビール"Dunkeles"、この他に季節限定のものとして"Maibock"、"Festbier"、"Hefeweizen"、"Winter Bock"などもあります。


Hapa’s Brew Haus and Restaurant
マウイ島のキヘイにあったビール会社。現在は販売を終了しています。"Black Lava Lager"、"El Niño Pale Ale"、"Moonset Lager"、"Paradise Pale Lager"、"Red Eye Amber"、"Red Sky Amber Lager"、"Stealth Dark Ale"などがありました。


Honolulu Brewing Company
1898年に設立されたHawaii Brewingが前身で、1983年にShultzに買収されるまで"Primo"というビールを販売していました。現在はBrew Moon Restaurant & Microbrewery内で提供しています。ライトな感覚の"Moonlight"、コクのある"North Star Lager"、 コクのある"Orion's Red Ale"、木イチゴの香りがあるモルトの効いた"MoonBerry Wheat"、ローストしたモルトの味が特徴の"Big Bang Pale Ale"、強い個性を持つ黒ビールの"Black Hole Lager"などがあります。


Keoki Brewing Company
1998年にカウアイ島のカラヘオに設立された比較的新しいブルワリーです。柔らかな喉ごしの“Hawaiian Sunset Pink Beer"、ホップを効かせた“Keoki Sunset"、 スタンダードな喉ごしの"Keoki Gold"、 マンゴー・テイストがハワイらしい“Mango Beer"、フルーティーな香りの “Kauai Gold" 、モルトの効いた"Kauai Sunset"などがあります。また、スポーツバーのShackでは"Eric Red"、ピザ・レストランのPizzatta’sでは"Robster Brew"を、シーフード・グリルのWahoo’sでは"Wahoo"を、Moana Surfriderでは"Moana Gold"を、Mangoo’s Pizzaでは"Mangoo’s Gold"を、Hanalei Bay Resortでは"Bali Hai Beer"を、Royal Hawaiian Resortでは"Royal Hawaiian Sunset Beer"を専用ビールとして生産しています。


Maui Beer Company
マウイ島のクラにあったビール会社で、モルト風味を活かした"Whale Ale"や、味は不明ですが、フラ・ダンサー・ラベルの" Aloha Lager"というビールを販売していました。いずれも現在は生産されていません。


Maui Brewing Company
マウイ島カハナでFish & Game Rotisserieという店を開く醸造会社。以前はFish & Game Brewing Company and Rotisserieと呼ばれていました。市販はしていませんが、非常に多くのブランドがあります。軽い口当たりの"Oktoberfest Lager"、 南ドイツの味を追求した"Dunkel Weizen"、 ベルギー風でモルトの効いた"Belgian Wheat"、 ミュンヘン風の"Honolua Lager"、 コクのある"Wild Hog Stout" 、ブラウン・エールの"Hemp Man Brown Ale"、苦みの効いた"Barracuda Bitter"、 さっぱりとした喉ごしの"Big Swell IPA"、 ライトな感覚ながらホップの効いた"Primo Pilsner"、 コンチネンタル風黒ビールの"Dark Knight Lager"、 しっかりとしたテイストの"Red Cock Doppel-Bock/Tominator"、 南ドイツ風の"Maui Hefe Weizen"、柑橘系の香りが漂う"MauiPale Ale"、アルコール度数の強いベルギー風黒ビールの"Belgian Abbey Ale"、 しっかりとした風合いの"Penguin XX Imperial Stout"、 正統ドイツ系の"Mai Bock"、スタンダード・ラガーの"Bikini Blonde Lager"、ライトな感覚の"Plantation Pale Ale"、フルーティーな"Tropo Lilikoi Golden Ale"、などがあります。


Maui Kine Brewery
マウイ島のハイクにあります。"Brewery Hill"ブランドで、"Caramel Porter"、"Pocono Pilsener"、"Pocono Lager"、“Black and Tan"、“Honey Amber"、“Pale Ale"、“Pocono Raspberry"を、その他に"Stegmaier 1857"、"Stegmaier", “Gold Medal"、"Stegmaier , Porter"、"Liebotschaner Cream Ale"、"Lion Root Beer"などがあります。


Mehana Brewing
1995年に設立された比較的新しい会社で、ハワイ島ヒロに本社工場があります。コナ・ブルーイングとともにハワイではよく知られたブランドです。軽くキレのある"Mehana Beer"、しっかりとした味わいの"Mehana Red Ale"、苦みの効いた" Volcano Red Ale"、フルーティーで飲みやすい" Hawaii Lager"、泡立ちが少なく喉ごしの良い"Humpback Blue"、ホップの効いた" Mauna Kea Pale Ale"、マイルドな味わいの"Roys Private Reserve"、甘みがあり、モルトの効いた" Tsunami Lager"などがあります。


Molokai Brewing
モロカイ島のカウナカカイにあります。"Mongoose Mild English Dark", “Red Fighting Cock Ale", “Molokai Pale Ale", “Brown Porter"などを製造していましたが、現在は終了し、自家製ビールキットのみを販売しています。


Portland Brewing
ハワイの地ビールではありませんが、この会社では"Honu Beer"という、ハワイ 風のビールを販売しています。軽くすっきりとした味わいです。ビンに直接プリントしたラベルとカメの絵がおしゃれです。


Sam Choy's Breakfast, Lunch, Crab and Big Aloha Brewery
ホノルル市にあるサム・チョイのレストランで出されるビールです。スタンダード・ラガーの"Bruddah's Cream Ale"、甘みの強い"Bumbucha Stout"、黒ビールに近い"Red Ehu Ale"、バナナの香りがほのかに漂う"Skipper's Hefe-Weizen"、清涼感あふれた" Hefe-Weizen"、グレープフルーツのエッセンスをフレンドした"Steamship Lager"、バド・ライトに似た軽い口当たりの"Kakaako Cream Ale"、キアヴェの蜜をブレンドしたカプチーノのような味わいの"Kiawe Honey Porter"、ハイネケンに似た"Green Bottle Lagar"、季節限定版として、強くホップの効いた"James Cook Indian Pale Ale"などがあります。


Sharktooth Brewing
マウイ島のカフルイにありましたが、現在はMoondoggy’sと名を変え、ビール醸造は行っていません。麦芽の香りを楽しむ"Amber"、心もち苦みの効いた"Big Kahuna Brown"、 ホップの効いた"Hula Girl Pale Ale"、ホップの香りを楽しむ"IPA(Indian Pale Ale)"、軽い口当たりの"Poi Dog Wheat"、ホップの苦みを効かせたクセの強い" Porter"、甘みのある濃厚さが売り物の"Stout"などがありました。


Trade Winds Brewing
マウイ島のワイルクにありましたが、現在は営業していません。ジンジャーの味が効いた"Gingerwheat"、フルーティーな"Hula Berry"、ライトな感覚の"Kuaipa"、レッドエールとしてはライト・テイストの"Paniolo Ale"、それより少しコクのある"Paniolo Amber"、軽い喉ごしの"American-Style"などがありました。


Waimea Brewing

カウアイ島のワイメアに本社工場があります。同社を代表するエールでフルーティーな香りが特徴の"Wai'ale'ale"。"Wai ale ale"はカウアイ島のワイアレアレ山と"エール"をかけています。その他には、ホップが強く効いた"Waimea Bay Pale Ale"、正統の黒ビール"Pakala Porter"、アロハの精神をビールしたと書かれているライトな感覚の"Luau Lager"、ワイアレアレよりも黒く、苦みを効かせた"Na Pali Pale Ale"強烈にホップの効いた"Captain Cooks Original IPA (India Pale Ale)"などがあります。



Whalers Brewpub
カウアイ島リフエにありましたが、現在は製造されていません。"Da Kine"、"Kick Okole Amber"、"Lucky Charm Irish Stout"、"Oktoberfest"、"Ramms Head"、"Scotch Ale"、"Randys Pale Ale"、"Tutus Guava Wheat"、"Tutus Lilikoi"、"Wild Wahine Wheat"などがありました。


ビールの種類
■イングリッシュ・ライト・エール
ペールエール (Pale Ale):少し酸味があり苦味が強い。イングランドのバートンで誕生したため、バートンエールとも呼ばれる。(※本文中にIPAとあるのはIndian Pale Aleのこと。イギリスが植民地時代のインドにビールを輸送する際、長期の船旅で腐敗しないように、強くホップを効かせたのが起源。)
ビターエール (Bitter Ale):ペールエールの樽詰めされた生ビール。ホップの効いた苦味のある味。
イングリッシュ・ダーク・エール
スタウト (Stout):苦みの強い黒ビール。アルコール度数は高め。ギネスがよく知られている。
ポーター (Porter):ロンドンで生まれたビール。濃厚で強い苦みがある。英国で荷役夫(ポーター)に人気のあったのが名の由来。
バーレイワイン (Barley Wine):麦芽の甘みを強調したビール。アルコール度数が強い。ストロング・エールとも呼ぶ。
スコッチエール (Scotch Ale):スコットランドで生まれた黒褐色のビール。モルトが強く、クリーミー。
エクスポート (Export):ピルスナーより少し濃く、ホップが控えめでマイルドな味わい。
オールドエール (Old Ale):高濃度の麦汁を使用したエール。
ジャーマン・エール
ケルシュ(Kölsch):ケルン地方で醸造されるビール。泡立ちが少なく、淡色でフルーティー。低温で醸成されるのでキレがある。
ブラウンエール (Brown Ale):口当たりのマイルドなビールで、アルコール度数が低め。色は赤い。
アルト (Alt):大麦と小麦麦芽で醸造した淡色ビールの総称。小麦の香りと酸味が特徴的。明るい色をしているためヴァイツェン(ドイツ語で「白」の意味)とも呼ばれる。
ジャーマン・ライト・ラガー
ピルスナー (Pilsner):世界中でもっともよく飲まれているビール。軟水で醸造され、黄金色とホップの効いた味わいが特徴。
ライトピルスナー (Light Pilsner):ピルスナーに比べると炭酸ガスは強めだが、口当たりは軽い。
ドルトムンダー (Dortmunder):ドイツのドルムンドが発祥地。ピルスナータイプだが、ピルスナーに比べて苦味が少なく辛口。
ジャーマン・ダーク・ラガー
メルツェン (Märzen):ウィーン麦芽で醸造された赤みの強いビール。苦味はあるがあとに残らない。
ボック (Bock):香りは強いが苦味は比較的少ないビール。ボックとは牡山羊のこと。ラベルの絵柄に用いられることが多い。
ドッペルボック (Doppelbock):一般的なボックよりも濃度が高く、アルコール度数も高い。チョコレートとカラメルテイストがあり、やや甘味がある。ダブルボックとも呼ばれる。
アイスボック (Ice Bock) :もっとも濃度の高いボック。発酵したビールを凍らせて水分を除き、アルコール濃度を高めたもの。
ウィンナー (Vienna):ウィーン麦芽で醸造されたオーストリアのビール。琥珀色をしているのが特徴。現地ではスペツィアルと呼ばれる。
オクトーバーフェスト:1810年から開催されている世界最大のビール祭。この祭典のときにだけアルコール度数が高めのビールが作られるが、これにちなんだ甘いモルト風味のビール。
ヴァイス・ビール
デュンケル (Dunkel):ドイツにおける黒ビールの総称。ローストされた大麦の香りが特徴で、口当たりがいい。
アメリカン・エール
ゴールデン・エール (Golden Ale):すっきりとした口当たりと、フルーティーなホップの香りが特徴。ブロンド・エールとも呼ばれる。
アメリカン・スタイル・ペールエール:アメリカのホップを使用し、苦味は強いが、フルーティーな香りが特徴。
アメリカン・ラガー
ライト (Light):低カロリーでアルコール度数の低いビール。
アイス・ビール (Ice):ビールを凍結させ氷を取り除いてアルコール濃度を高めたもの。喉ごしはやわらかい。
モルトリカー (Molt Liquor):濃度とアルコール度数の高いビール。
ベルギー・ビール
ランビック (Lambic):自然発酵させて長期熟成させたビール。ベルギーのランビック地方が発祥地。
クリームエール(Creme Ale):マイルドで軽い口当たりのエール。
トラピスト:ベルギーの修道院で醸造されるビール。味は様々だが、アルコール度数が高く苦味が強い。
アベイ:トラピストの醸造法を真似た一般企業のビール。
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