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林道と共用の道を歩きはじめる |
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ハレアカラの中腹に広がるポリポリ地区には美しい森が広がっています。今回は、ワイポリ・ロードを登った標高1500m以上の冷涼な気候にある森のトレイルを紹介します。
カフルイからは37号線を東へ進み、プカラニの町を過ぎたら左折して377号に入ります。378号線(ハレアカラ国立公園方面)との分岐を通過して真っ直ぐ南下し、再び37号線と合流する少し手前で、左手に現れるワイポリ・ロードに入ります。細くなった道を登るとキャトル・ゲート(道路に敷いた牛止めのレール)となり、ここからは1車線となります。さらにしばらく登ると2つ目のキャトルゲートを過ぎます。ここを過ぎて15分ほど登ると、標高1200mほどのところにグリーンのハンター小屋が出現するので、この手前に車を停めましょう。
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牧場の彼方に見える下界の景色 |
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ワイポリ・ロードは急斜面に作られた牧場を縫うように、ジグザグを繰り返しながら伸びています。晴れた日には絶景を楽しめますが、道は狭くカーブもきついので、霧が出たときは慎重に運転してください。
ワイアコアというハワイ語には「戦士の使う水」という意味があります。トレイルを寸断するように、一帯にはいくつもの沢が流れ、豊かな水源に育まれてオヒアやオヘロ、プキアヴェ、ママネといった在来の植物が咲き乱れます。とくに夏場は降雨も少なく、涼しい空気とふかふかとした落ち葉のカーペット、さらには草原の風にすっかり心が和みます。
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ハンターロッジ |
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トレイルは緑色に塗られたハンターロッジが基点です。最初は砂利の多いジープ道をたどります。右手にはブラック・ワトル(モリシマアカシア)の林があり、季節にはコアの木の花に似たボンボン状の花を無数につけます。小さな坂を登りつめると道はなだらかになり、シロツメクサのカーペットが現れます。そこを過ぎると次第にユーカリの巨木が周囲を圧倒するような高さで迫ってきます。ユーカリの木を知らなくても、機械油に似た独特の臭いですぐに気づくはずです。
スタートから30分ほど歩くと最初の涸れ沢を渡ります。道は大きく左にカーブしていて、ほどなく右手に四輪駆動車用の道が現れます。ここはそのまま直進しましょう。10分ほどでハンター用のゲートに到着します。ゲートを通った後は必ず閉めておきます。
ゲートを過ぎて少し行くと再び小さな涸れ沢に出ます。この沢を渡り、30メートルほど登ると、道は倒木の根のわきを過ぎてすぐに二股に分かれます。ここでは右に進路を取りましょう。分岐を過ぎてさらに登るとナアラエの沢の辺りからクロマツの林となります。トレイルのそこかしこに松ぼっくりが転がっているはずです。キノコも多く目にします。
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ブラック・ワトル |
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この辺にはスタート地点にもあったブラック・ワトルが再び目立ちはじめます。この木は国際自然保護連合が定める世界のワースト100植物に指定されるほどの強い繁殖力があり、在来の植物に大きなインパクトを与えています。その影響をこうむっている植物のひとつが、ハレアカラ原産のママネです。ブラック・ワトルと同じマメ科の植物で、季節には鮮やかな黄色の花をつけます。ママネはきわめて固い木で、先住のハワイ人は鋤として使用しました。
森には野鳥も数多くいます。コミミズク、ヒバリ、ソウシチョウなどの外来種に混じり、アマキヒ、アパパネ、アラウアヒオといったハワイミツスイの声を楽しむことができます。オヒアやママネの木が点在しているので、ミツスイたちが蜜を吸いに来るのを観察できるかもしれません。ただここ数年、メジロが増えているのが気になります。
しばらくして森を抜け、草原に出ると「0.5マイル」の標識が現れます。何度目かの涸れ沢を通り過ぎると、間もなく右手に伸びるアッパー・ワイアコア・トレイルと合流します。そちらへは行かず、直進して再び森に入り、沢を越えて草原に出ると「1マイル」の標識となります。
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森と草原を縫って歩く |
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「1マイル」標識から5分ほど歩くと深い森となります。次の「1.5マイル」の標識を過ぎると沢を越え、左の岩場の下に小さな池を見ることができます。さらに「2マイル」の標識を過ぎ、大きな沢を越えると、左脇に30mはありそうなユーカリの高木が1本だけ立っている場所を過ぎます。さらに「2.5マイル」標識を過ぎると間もなくループの基点となる二股に戻り、ここからゲートを経てハンターロッジへ戻ります。所要時間は休憩時間を含まずに2時間から2時間半ほどです。
標高が高いので、低温や雨に備えて雨具を用意した方がよいでしょう。このルートは狩猟地域でもあるので、決してルートを外れないこと。また、マウンテンバイクのルートにもなっているのでバイカーが来たら道を譲りましょう。
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ユーカリの高木 |
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※トップページの写真はスタート地点から見たトレイルです。次回はハワイアンシャツの歴史についてお話しする予定です。
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