ハワイの自然、文化、歴史がテーマのアロハWEBカワラ版
目次
【バックナンバー】
特集:知る・歩く・感じる
キルト・パラダイス
ハワイ日和
ミノリのカウアイ日記
アロハ・ブックシェルフ
ハワイ・ネットワーク
新定番!ハワイのおみやげ
スタッフルーム
アロハ・ピープル
フラ・ミュージアム通信
【ホクレア号】
ホクレア号横浜到着
ホクレア号での航海生活
ハワイの食卓
スタッフのいちおしハワイ
ハレピカケ倶楽部
アロハ・コラム
パワー・オブ・ハワイ
私のフラ体験
ハワイ日系移民の歴史
アストン・ストーリー
>アイランド・クローズアップ
ハワイ島編
マウイ島編
ホロホロ.ハワイ
カワラ版 トップページ
バックナンバー
クリック!
 
RSS1.0
リマフリ・ガーデン
近藤純夫
ハーエナにかかるクラシカルな木橋
ビジターセンター

  リマフリ・ガーデンはカウアイ島北部の、カララウ渓谷入口にある植物園で、ハワイ固有の植物や先住のハワイ人が持ちこんだ伝統植物などを中心に展示する学習型の植物園として知られています。この植物園を運営するのはナショナル熱帯植物園(National Tropical Botanical Garden)で、カウアイ島ではこのほかにアラートン・ガーデンと、マクブライド・ガーデンを運営しています。*1

*1 この他にもマウイ島のカハヌ・ガーデンとフロリダ州のカンポン植物園の運営をする他、ハワイ島に2つの保護区を持っており、熱帯や亜熱帯の植物管理と運営では世界有数の規模を誇ります。ナショナルという名を冠していますが、国営というわけではなく、「国民すべてに開かれた」という意味です。

 園内は周遊コースになっており、タロイモ(カロ)やパンノキ(ウル)、サトウキビ(コー)など、ハワイの伝統文化に馴染みの深い植物から始まり、オヒアやコア、コキオ(ハワイのハイビスカス)などの代表的な固有植物、アルラやハーハーなど絶滅が危惧されている植物、マンゴーやパパイアなどのハワイにゆかりの深い果樹などが展示されています。園内を流れるリマフリ川はかつてのアフプアアの生命線とも言えるもの。この土地に住む人々はすべてこの川の水だけを利用して暮らしを立てていました。川にはオオプと呼ばれるハワイ固有の淡水魚が何種類か生息しています。

ショップを兼ねたオフィス
斜面をそのまま利用した園内

歴史

 リマフリ・ガーデンは、カウアイ島は言うに及ばず、ハワイ諸島のなかでもっとも古くから開拓された場所だと伝えられています。この地を開拓したのはマルケサス諸島から到来した人々で、いまから1500年ほど前だとされます。それから800年ほど経った13世紀頃、タヒチからの集団移住があり、ハワイの文化は新しい顔を持つようになりました。それは階級社会の出現と、数多くの規則(カプ)による支配です。人々はアフプアアと呼ばれる尾根と尾根の間の細長い土地で暮らすことになりましたが、リマフリはそうしたアフプアアのひとつとして発展しました。今日でもその名が残されていますが、この地域のアフプアアはハーエナと呼ばれました。園に入ってすぐ前に広がるタロイモ水田(ロイ)はその当時(700年前〜1000年前)から続くものです。

 19世紀半ば頃からリマフリ地域は牛の放牧場となり、一帯の自然体系はひどく破壊されました。その結果、外来植物が侵出して、リマフリを含むハーエナの自然環境は一変します。その後、1955年にハーエナの保全協会が訴訟を起こしました。12年間の論争の末、この土地は正当な継承者によって本来あるべき姿に回帰すべきだということになり、州管轄の自然保護地区となりました。

園内を流れるリマフリ川
タロイモ(カロ)の水田

 1967年に保全協会のメンバーであったジュリエット・ウィッチマンが敷地に残っていた牛をすべて排除して固有の植生を復元させ、植物園をオープンさせました。1976年、彼女はそのうちの海に近い土地をNTBGに寄贈し、今日のリマフリ・ガーデンが誕生しました。彼女が亡くなった後、孫のチッパー・ウィッチマンは残された1000エーカーに及ぶ土地を、NTBGとハワイ大学と共同で保全作業を続け、リマフリ保全地区として管理しています。

 このように長年に渡るハワイの自然復興に対する努力が認められ、リマフリ・ガーデンは1997年にアメリカで最も素晴らしい自然植物園の栄誉を受けました。土壌や水流の保全と固有植物の復元と維持に対する評価がなされたのです。
リマフリ・ガーデンの目標はエコロジカルな面と伝統文化両面でのリマフリ渓谷の復元にあり、かつて存在したアフプアアを今日に機能させることです。このような流れとは別に、敷地内には果樹のコーナーを設け、ハワイにゆかりの深い果実を見せる試みも始めています。

アプローチ

 リフエからは56号線から560号線に変わり、ケ・エ・ビーチ手前まで1時間〜1時間半ほどのドライブ。火曜日〜木曜日と日曜日の午前8時半〜午後4時オープン。月曜と土曜日は休館の他、ハーエナにかかる木橋は増水の際に通行禁止となる。

ランドマークとなっているキャプテンクック・ツリー
ゲート付近のタロイモ水田(ロ・イ)

連絡先
ナショナル熱帯植物園事務所 
3530 Papalina Road Kalaheo, HI 6741 
TEL:(808)332-7324
ガイドツアー予約電話番号
TEL:(808)826-1053
入場料:大人$15.00 12歳以下無料。
ガイドツアー:大人 $30.00/10〜12歳 $15.00 10歳未満は参加できません。
(開催時間は変動するので現地に問い合わせること。日本語によるガイドもまれにある。)
入園者には英語、または日本語の詳細ガイドブックがもらえる。
サイト:http://ntbg.org/gardens/limahuli.php

トップページの写真はリマフリ・ガーデンのエントランスです。次回はマウイ島のカハヌ・ガーデンについてお話しする予定です。

【ハワイの自然】
 ダイヤモンドヘッドに登ろう (1) 2002年8月1日
 ダイヤモンドヘッドに登ろう (2) 2002年8月15日
 火山と溶岩 (1) 噴火に伴う溶岩 2002年11月7日
 火山と溶岩 (2) ハワイアンと溶岩 2002年11月21日
 火山と溶岩 (3) マグマとその動き 2003年11月20日
 火山と溶岩 (4) プレートの移動 2003年12月4日
 火山と溶岩 (5) 島の誕生と消滅 2003年12月18日
 マウナケアと天文台 (1) 2003年2月20日
 マウナケアと天文台 (2) 2003年3月6日
 渓谷の魅力 (1) ワイピオ渓谷 2003年10月2日
 渓谷の魅力 (2) ワイメア渓谷 2003年10月16日
 渓谷の魅力 (3) ワイポオ滝トレイル 2005年6月16日
 西マウイ・北海岸の自然 (1) 2003年7月3日
 西マウイ・北海岸の自然 (2) 2003年7月17日
 風と雨と虹の話 (1) 2002年9月5日
 風と雨と虹の話 (2) 2002年9月19日
 マカプ・ウ岬を登る 2004年4月15日
 トレイルを歩く(1) マノア滝トレイルを歩く 2004年5月6日
 地底の世界 (1) 2004年9月2日
 地底の世界 (2) 2004年9月16日
 観光洞窟 2004年10月7日
 トレイルを歩く(2) ペペオパエ・トレイル(モロカイ島) 2004年10月21日
 トレイルを歩く(3) ナーパウ・トレイル 2004年11月4日
 滝のある風景(1) レインボー・フォールズ 2005年2月3日
 滝のある風景(2) ワイルア・フォールズ 2005年2月17日
 滝のある風景(3) アカカ・フォールズ 2005年3月3日
 キラウエア (1) 2005年4月7日
 キラウエア (2) 2005年4月21日
 キラウエア (3) 2005年5月19日
 マウナ・ロア 2005年8月18日
 ハレアカラ 2005年9月1日
 トレイルを歩く(4) メネフネ神話発祥の山に登る
  (ノウノウ山イースト・トレイル)
2006年2月2日
 トレイルを歩く(5) ポロル渓谷 2006年5月18日
 キパフル・ウォーク 2006年6月1日
 温泉 2006年8月3日
 ピヘア展望台(カウアイ島) 2007年11月15日
 グリーンサンドビーチ散策 2007年12月20日
 トレイルを歩く(6) ワイアコア・ループ・トレイル 2008年6月19日
 ハレマウマウ 2008年9月18日
 マウイ島の山々 2008年10月16日
 モロカイ島の自然(1) 2008年11月20日
 モロカイ島の自然(2) 2008年12月18日
 ラナイ島 2009年1月15日
 カホオラヴェ島 2009年2月19日
 ワイルク川をさかのぼる 2009年3月19日
 有害動物 2009年4月16日
 > その他の特集は、こちらの「バックナンバー」からご覧いただけます。

個人情報保護の方針 クッキーの利用について
Copyright (C) 2002-2003 PACIFIC RESORTS.INC., All rights reserved.