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ローカル・フーズ
近藤純夫

スパムむすび

 ハワイには地域に根ざした食べ物があります。そのなかにはポイやラウラウのように、先住のハワイ人が食べていた伝統料理もありますが、ここでは各国の移民が定住しはじめた19世紀以降のハワイ社会から誕生した食べ物を紹介します。ハワイのローカル・フーズの一番の特徴は、いずれも各国のハワイ移民たちの食文化を反映していることでしょうか。ここでは代表的なものを取り上げてご紹介しましょう。

スパムむすび

 ハワイの日系人だけでなく、日本人観光客にも根強い人気がある、ハワイ独自のおむすびです。当初は海外の米軍用に支給されていたスパムと呼ばれるハムを焼き、四角く握ったおむすびの間にはさんだもので、これに海苔を巻いたものです。見た目はおむすびというより、巨大な握り寿司と言えるかもしれません。スパムむすびにはスパムの代わりにチキンやビーフをはさんだもの、スパムのほかに玉子焼きをはさんだもの、ふりかけをかけたものなど、さまざまにアレンジしたものがあります。コンビニなどで手軽に購入できます。


ロコモコ 撮影:児玉千恵

ロコモコ

 ごはんの上にハンバーグと目玉焼きをのせ、グレービーソースをかけたものをロコモコと呼びます。初期には目玉焼きはなかったとも言われますが、現在のロコモコはこの3点がお約束です。ロコモコは「locomoco」と表記されます。「loco」はポルトガル語で「クレイジーな」という意味で、具材の取り合わせと、膨大な量(超大盛り)を表します。「moko」の方は「loco」に合わせ、韻を踏んだものとされます。

 ロコモコは1950年代、ハワイ島のヒロにある「リンカーン・グリル」という日系人経営の小さな食堂が発祥の地と言われています。経営主のリチャード&ナンシー・イノウエ夫妻は、地元のお腹を空かせた高校生たちのために、店主がありあわせの具材で作ったのがきっかけとされますが、諸説あります。現在はかつてあったその店の近くにある「カフェ100」にその伝統が継承されているとも言われますが、こちらも詳細は不明です。


サイミン

サイミン

 ラーメンによく似たハワイで考案されたスープヌードルで、日本のラーメンや中国の麺、フィリピンのパンシットと呼ばれる麺を混ぜ合わせて作ったとも言われます。スープ出汁は桜エビやカツオ節など海産系が基本となっていて、あっさりとした味が特徴です。麺に乗せるトッピングは、ナルトやチャーシュー、ハクサイ、薄焼き卵の細切りなどですが、ハクサイだけという店も結構あります。このほかに照り焼きビーフやチキンを乗せる店もあります。ハワイのマクドナルドではサイミンをメニューに加える店舗もあります。


ロミ・サーモン

ロミ・サーモン(ロミロミ・サーモン)

 ロミ・サーモンは、生ザケや燻製のサケを小さく角切りにして、新鮮なトマトやタマネギ(マウイオニオン)などと粗塩であえたサイドディッシュです。サラダのような存在ですから、ふつうは冷やして食べます。ロミ(揉む)という名前の由来は、素材をあえるときに手で揉むためだとされます。サケはハワイ語でカーマノ(英語salmonのハワイ語読み)と呼ばれ、当初はもっぱらサケの缶詰(ハワイ語でカーマノ・キニ)のことを指していました。サケ缶が世界に流通しはじめた19世紀半ばのことです。ロミ・サーモンの原型は「ポケ」に求められるという説もあります。


てんぷらのプレートランチ

プレートランチ

 ひとつのお皿にごはんとおかずを盛りつけたもの。基本のメニューはありますが、トレーに並んだおかずから好きなものをピックアップして皿に盛ってもらう店も少なくありません。また、このようなセットをパックに入れ、日本の弁当のように販売しているスーパーや店も多くあり、ハワイではベントー・ボックスと呼ばれます。毎日多くの人がランチとして利用しており、ハワイの代表的なB級グルメということもできるでしょう。日系移民がサトウキビ畑で昼食を摂るとき、持参した弁当のオカズを交換しあったことから生まれたとも言われます。副食はさまざまですが、ごはんまたは焼きそばとマカロニサラダはたいていのものに添えられています。

ポーチュギー・スープ

ポーチュギー(ビーン)スープ

 ミネストローネに似たポルトガル由来のスープ。ポルトガル産ソーセージを主役に、ポーチュギービーン、タマネギ、ベーコン、にんにくなどに香辛料を入れて煮こんだもので、ポルトガル移民の人たちが持ちこんだ食文化です。


アヒ・ポケ

ポケ(ポキ)

 ポケとは海産物を用いた「漬け」のようなもので、マグロやタコなどの魚貝類を一口大に切り、塩やしょう油などの調味料に漬けこんだり、和えたりします。ハワイでもっともポピュラーな食品のひとつと言えるでしょう。なかでもアヒ(マグロ)のポケはレストランのメニューやスーパーの食材としてもおなじみです。今日のポケをハワイの食文化にまで広げたのは日系人で、1970年代のことと言われます。ハワイ語のポケの源流は、伝統食文化に端を発していて、「切る」とか「スライスする」、「みじん切りにする」という意味があります。

トップページの写真は韓国系のプレートランチです。次回はハワイのおやつやデザートについてお話しする予定です。

【ハワイの食文化】
 食卓を飾るさかな (1) 2004年8月4日
 食卓を飾るさかな (2) 2004年8月19日
 ポキ 2006年7月20日
 > その他の特集は、こちらの「バックナンバー」からご覧いただけます。

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