ハワイは各国の移民が持ち寄った食文化が色濃く反映されているということを前回書きましたが、それはデザートやスナック菓子などにも及びます。今回はハワイに定着したそれらの食べ物のなかからいくつかをピックアップしてお伝えします。
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カウアイ島カパアのオハナ・ダイナーで出されたハウピア |
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ハウピア
ハウはハワイ語で「固める」とか「冷たくする」を意味し、ピアは和名をタシロイモという植物を指します。ハウピアは19世紀以降、ハワイで食べられるようになったおやつのひとつです。温めたココナッツミルクにピアから取れるデンプンと、水、砂糖、塩を加えて火にかけ、固まるまで混ぜ合わせます。これを氷などで冷やしてできあがりです。現在はピアの代わりにコーンスターチを使用します。甘めが好きな人は砂糖かハチミツを多めに加えるとよいでしょう。ハワイのレストランでは作り置きしていることがありますが、裏メニューの場合も多いので、食べたいときは問い合わせてみるとよいでしょう。ハウピア味のヨーグルトも人気があります。
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ハワイ島ホノカアのテックスドライブインで売られているマラサダ |
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マラサダ
マラサダはポルトガル領アゾレス諸島の家庭で作られる菓子をハワイ風にしたものです。キリスト教では復活祭の40日前を「灰の水曜日」と呼びますが、ポルトガルではその前日を「懺悔の火曜日」と呼び、油で揚げたものを食べる習慣があります。オリジナルのマラサダは、沖縄のサーターアンダギーのように固く無骨なものです。ハワイではホノルルの老舗ベーカリーであるレナーズの創業者レナードの母親のアイデアにより売り出しました。ハワイのマラサダは揚げドーナッツのような外観で柔らかく、なかにクリームなどを入れたものもあります。
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チャン・ワ・カムのマナプア |
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マナプア
饅頭のなかにチャーシューなどを入れたもので、日本の肉まんと良く似ています。マ(ー)ナとはハワイ語で「噛む」を意味し、プアアは「豚」を意味します。ハワイに移住した中国人が持ち込んだ広東料理のひとつである叉燒包(チャーシュー饅頭)がルーツだとされます。日本の肉まんと較べるとぱさぱさとした感じがします。
具材には真っ赤なチャーシューが使われます。蒸したマナプアの他にも、ベイクド・マナプア(焼きマナプア)などがあります。マナプアは焼きたてのパンのような食感が特徴です。
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マウイ・スタイルのマウイオニオン味ポテトチップ |
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マウイオニオン(ポテトチップス)
サクサク感とオニオン味を効かせた味覚は、地元だけでなく観光客にも人気のポテトチップスです。ジャガイモを厚切りにし、大きな釜で一気に揚げるためか、堅めで歯ごたえがあります。マウイ特産のオニオンを加えているため、独特の甘さを感じさせるのも人気の秘密でしょう。空港などでは小袋しか見ませんが、スーパーには中袋、大袋もあります。
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ハワイ島ヒロのビッグアイランド・キャンディーズの商品 |
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ハワイアン・ダ・カインズ
ハワイ島ヒロにあるビッグアイランド・キャンディーズが販売する隠れ人気のジャンクフードです。あられやおかき、豆菓子、リーヒンムイ(中国産の甘草の粉末と塩、砂糖を、乾燥させた梅干にかけたもの)、さきイカなどにチョコレートをかけたもので、その取り合わせには少し驚かされますが、熱烈なファンが人気を支えています。
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ポケ・ミックス |
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ポケ・ミックス
ポケ(ポキ)とは、さいの目状に切った味付きの刺身です。しょう油に浸けた魚の切り身などに、ハワイアンソルトとオゴと呼ばれる海藻を加えてできあがります。このうち、ソルトとオゴを乾燥させた状態にしたものが本製品です。たとえばアヒポケ(マグロの刺身)であれば、しょう油にごま油を加えたものにマグロの刺身を浸け、15分〜30分なじませたあとに、水で戻した本製品を加えればできあがりです。仕上げに青ねぎを加えたり、刻んだキムチを少量加えてもよいでしょう。刺身の素材としてはアヒがもっともポピュラーですが、カツオなどの魚や、イカ、タコ、カニ、貝類なども使われます。
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タロ・ブランドのタロ・パンケーキ・ミックス |
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薄紫色に焼き上がったパンケーキ |
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タロ・パンケーキ・ミックス
タロイモをベースにした薄紫色のパンケーキです。タロイモ(カロ)をふかした後、水を加えながら伸ばしたものはポイと呼ばれるペースト状になり、ハワイ人の主食としていまも一部に人気があります。このとろみがパンやパンケーキではふっくらとした状態を作り出し、とてもやさしい舌触りとなります。加えてほんのりとした甘みがクセになります。
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タロ・ブランドのタロ・パン |
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タロ(スイート)ブレッド
タロイモのペーストをベースに焼き上げた食パンで、地域によりさまざまなメーカー品があります。ほんのりとした甘さと、ふわふわとした食感が特徴で、一度食べるとファンになる人が多いようです。
※トップページは豆菓子にチョコレートをかけたビッグアイランド・キャンディーズの商品です。次回はホーマルヒア植物園についてお話しする予定です。 |