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トレイル入口の標識 |
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クイラウリッジ・トレイルは比較的なだらかで道幅も広く、のんびりとした山登りにぴったりの場所と言えるでしょう。今回はトレイルの中ほどにあるピクニックエリアまでを紹介します。
カウアイ島のワイルア川近くに、かつて王族しか通ることを許されなかったというクアモオ・ロードがあります。56号線(島の周遊道路)からこの道に入ってすぐの左手に大きなカマニの木があって、その傍らにバースストーン(ポーハク・ピコ)やヘイアウ(ホロホロクー・ヘイアウ)があります。やがて山道となり、ポリアフ・ヘイアウやオパエカア滝などの観光ポイントを通り過ぎてさらに山奥へと車を進めると、道は川に突きあたり、ケアフア森林公園(アーボリータム)に出ます。ここに車を停め、来た道を少し引き返すと、左手(北側)に車止めがあり、その先にトレイルが伸びているのがわかります。
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ストロベリーグァバ |
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シコンノボタン |
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ウェデリア |
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イエロージンジャー |
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雨の多い土地なので水分を多く必要とする植物が一帯に広がっています。トレイル入口の向かって左側にはパピルスがあります。そう、古代エジプトで紙の材料としたあのパピルスが群落を作っています。トレイルに入ってすぐのところは、シコンノボタン、ストロベリーグァバ、イエロージンジャー、ウェデリア、バナナポカなど、残念ながら有害植物の展示場と化しています。
歩きはじめてすぐのところに地図標識があり、その脇には靴を掃除するブラシが設置してあります。山に入るとき、あるいは出るときに、このブラシで靴の底の土や種子などを落とし、環境にダメージを与えないようにしましょうというアナウンスです。ここから標高差230mほどを登りはじめます。
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シャンプージンジャーの群落 |
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少し先へ進むと左側が開けてきて、渓谷とその向こうにワイアレアレの山が見えてきます。ただし、たいていは厚い雲が頂上付近を覆っているはずです。足元にはシャンプージンジャー(アヴァプヒ・クアヒヴィ)が点々と現れます。じきに道は広くなりますが、雨の日はぬかるみがひどいので踝まであるハイキングシューズで歩くのが無難です。午後は午前中の露や雨が蒸発して湿度が高くなるので、早朝の出発をお勧めします。
半時ほども歩くとティーの木が現れ、それとともに渓谷の向こうの山々の、そぎ落とされたような絶壁に幾条もの滝が流れ落ちているのが見えてきます。さらに15分ほど歩くと周囲は背の高いユーカリの木へと変わっていきます。やがて狭いながらのどかな尾根筋にかかり、前方にアルビジアの巨木が見えるところで右手の景色も広がり、カパアの先の海が見えてきます。ここまでゆっくり歩いて1時間ほどでしょうか。オヒアの木を過ぎ、短い坂を登りつめるとピクニックエリアに到着します。
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広々とした山道 |
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2度目の登山のときはこのエリアに馬でやってくる人たちがいて、のんびりと朝の風景を楽しんでいました。トップページの写真はそのときのものです。周りにはタコノキ(パンダナス)やアルビジアなどの巨木が目につきます。渓谷の奥のワイアレアレ山は世界有数の多雨地帯で、年間およそ1万mm(10m)もの雨が降ります。その雨が頂上付近に広大な湿地帯(アラカイ湿原)を作り、あふれ出た水は何本もの滝となって1000m近くの落差を流れ落ちます。滅多に視界が開けることはありませんが、運が良ければ壮大な滝の世界を見ることができます。ちなみに、ワイアレアレ山にはピークがふたつあり、ひとつはワイアレアレ、高い方はカヴァイキニと言います。
ピクニックエリアの周囲には野鳥たちも多く住みついているので、ゆっくり周囲の風景を楽しんでください。この先をさらに進むとモアレペ・トレイルと合流しますが、今回はここまでの紹介です。帰路は来た道を戻ります。休憩を含め、往復で2時間ほどの山歩きです。
駐車場まで戻ったらケアフア森林公園の自然を散策しましょう。貯水池から流れる川が道を遮っていますが、大雨のあとでなければ徒歩でも車でも渡ることができます。一帯にはマンゴー、ユーカリ、アルビジアなどの巨木があります。川を渡った左手の丘の先は野鳥の観察スポットにもなっています。
ひとつめの川を渡るとオフロードとなります(ここから先はオフロード用の四輪駆動車が必要となります。)。少し走ると2番目の川が現れます。水量が少なければそのまま渡り、先へ進むと『ジュラシック・パーク』に登場したセットの一部が残っているところに出ます。さらに先へと進むと、やがて左手に用水路のある小さな草地に出ます。雲が消えると、眼前にはワイアレアレから落ちる滝の、壮大な景色を楽しむことができます。
トップページの写真は本文でもお話ししたとおり、クイラウリッジ・トレイルのピクニックエリアです。次回はカウアイ島の海鳥の名所として知られるキラウエア岬についてお話しします。
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