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ワイヘエ・リッジ・トレイル
近藤純夫
登山口のゲート
マウイ島の西マウイは西の海岸に並ぶカアナパリ、ラハイナなどのリゾート地帯と、ワイルクから入る中央部のイアオ渓谷以外はあまり観光客に知られていません。西マウイの大半は、北東から吹き寄せる貿易風のせいでたいていは厚い雨雲がかかり、あまり天気が良いとは言えません。しかし、降りつづく雨のせいで山々は深い浸食を受け、多くの滝がかかり、美しい渓谷が広がります。ワイヘエ地域は、西マウイでは比較的好天に恵まれ、これらの渓谷を一望できる絶好のトレイルがあります。しっかりとした溶岩流のせいでそれほど激しい浸食を受けていないため、なだらかな山々が続くので、散策コースとしてもお勧めです。
カフルイの町から西マウイに入ると、ワイエフの町に続いてワイヘエの町に入り、ここに深い渓谷と尾根があります。今回は、以前に紹介したワイヘエ・バレー・トレイルの北隣にあるワイヘエ・リッジ・トレイルです。
>>> ワイへエ・バレー・トレイルは「西マウイ北海岸の自然(1)」で紹介しています
ストロベリーグァバの林
カフルイの街を走る32号線から340号線に入り、山道を登っていくと大きな牧場のゲートが出現します。その向かい側にある牧場内の道を登るとトレイル入口に到着します。このトレイルは片道およそ4kmほど。比較的なだらかな山道が多く歩きやすいですが、登りは2時間近くみておく必要があるでしょう。下りは1時間強で戻れますが、いずれにしても水は多めに持参しましょう。高低差は500mほどです。
大きな駐車スペースの少し手前にある牧場の柵を抜け、コンクリートの急坂を少しだけ歩きます。周辺にはフウセントウワタやラッツテイル、クリスマスベリー、コモングァバなど、広大な牧場に外来の植物が目立つ景色が続きます。眼下かなたには西マウイの海岸を臨めます。
黄色のオヒアレフア
ほどなく雨水を溜めるタンクが現れ、そのすぐ先にある2つ目の柵を抜けると森に入り、景色は一変します。次第にユーカリやオヒア、ストロベリーグァバやイエローストロベリーグァバ、カユプテなど、フトモモ科の植物が増えはじめます。赤く熟したストロベリーグァバの実を口にしながらしばらく登り、やがてユーカリの林を抜けると、目の前にクック・パインの木が1本だけある場所に出ます。小さなベンチのある場所からは東西に景色が開けます。右手の山奥には2段にかかるマカマカオレ・フォールズ滝が、海側にはワイヘエの集落と、その先にカフルイの街並みを遠望できます。
マカマカオレ・フォールズ滝
周辺の植生は次第に変わり、背の低いオヒアレフアの足元にウルヘ(シダ)が生い茂るようになります。そのなかにアマウやハープウなど、大型の木性シダが点在します。なだらかにアップダウンを繰り返す山道を登り、一度小さな盆地に出て、そこから頂上までジグザグに登ります。景色はつねに開けているので、天気さえよければ、この間、素晴らしい眺望を楽しめます。周辺にはさらに背丈が低くなったオヒアのほかに、ティー、イエイエ、パラアー(シダ)、コーピコ、そして、ウルヘの葉を何倍にも大きくしたウルヘラウヌイなどの固有植物が多くみられるようになります。
イエイエの花
パラアー(シダ)
やがて前方になだらかなスカイラインを描いたラニリリという名前の頂(標高782m)が現れます。山頂にはテーブルが設置してあり、ここから周囲の景観を360度楽しめます。ただし、テーブル奥の部分は土壌が荒れ、崩落の恐れがあり、立入は禁じられているのでご注意ください。南西の方向にはエケ山、北部には保護区に指定されているカハクロアの自然が広がります。季節による変動はありますが、野鳥も多く、アパパネやアマキヒなどの他、コウカンチョウやアカハラシキチョウ(シャマ)などの声も楽しめます。
頂から眺めるカハクロハ方面の自然
トップページは山道の途中から遠望する西マウイの海岸線です。 次回はローカル・フーズ(2)と題して、ハワイのB級グルメの定番とも言えるプレートランチについてお話しします。
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ハワイ諸島は、地球上のどの大陸からも遠く離れている。この「世界の孤島」ともいうべき場所には、この土地にしか見られない動植物が豊かに息づいている。本書はそんなハワイの自然を、「地理・地質」「植物」「動物」「海の世界」などに分け、豊富な写真とともにわかりやすく紹介する。ハワイで見られる溶岩の種類など、これまで紹介されたことのない情報も詰められている。ハワイの自然に興味ある人はもちろん、ホテルの庭先にある花や鳥の名前を知りたい人にもお勧めの一冊!
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【ハワイの自然】
ダイヤモンドヘッドに登ろう (1)
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