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チョウショウバト |
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これまで主な生息域別にハワイの鳥たちを紹介してきました。今回は街中や郊外に生息する鳥を中心にご紹介します。
街中の鳥
日本のハトやスズメに相当するのはハワイでも同じハトとスズメです。ハトにはドバト(feral pigeon)やカワラバト(Rock Dove)、ナゲキバト(Mourning Dove)、カノコバト(Spotted Dove)などがいますが、もっとも多く目にするのは写真のチョウショウバト(Zebra Dove)でしょう。少し小振りで美しい羽根を持つのが特徴です。体長は20cmほど、東南アジアの原産です。早朝、外でクックーと鳴いていたら、たいていはこのハトだと思ってください。
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メキシコマシコのオス |
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スズメ(House Sparrow)は主にニュージーランド由来だとされます。体長は街中で13〜14cmほど、郊外では少し大型化し、14〜15cmほどあります。スズメとよく似た鳥に、体長14〜15cmほどのメキシコマシコ(house finch)がいます。街中にもいますが、どちらかというと郊外から里山にかけて多く目にします。米国中部からメキシコにかけての原産です。
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カバイロハッカ |
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日本ではこの他にカラスが街の鳥として知られますが、ハワイでその代役を果たしているのはカバイロハッカまたはインドハッカ(Common Myna)と呼ばれるムクドリの仲間です。名前からわかるようにインドの原産です。体長はチョウショウバトより少し大きく22〜24cmです。ハトやスズメは観光客の残飯など、おこぼれをあさりますが、カバイロハッカは隙をみて横取りすることもあります。くちばしと目の周り、脚が黄色です。飛ぶと羽裏に黒い模様が見えるので遠目にも識別しやすい鳥のひとつです。
郊外の鳥
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オヒアレフアの蜜を吸うキンノジコ |
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キンノジコ(Saffron Finch)は南米中北部の原産で体長14〜15cm。街中でも見られますが、主に郊外の野原に生息します。花の種子などを食べると言われますが、蜜を吸うこともあります。
コウカンチョウの仲間は各島で見られます。大リーグのセントルイス・カーディナルスの肩に見られるのがショウジョウコウカンチョウ(Northern Cardinal)です。全身が赤いことと、とさかのあることですぐに見分けが付きます。同じように赤色が基調のハワイミツスイ(アパパネやイイヴィなど)と見分けにくいと思うかもしれませんが、生息域が異なるのでほとんど間違うことはないでしょう。
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コウカンチョウ |
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同じく赤いトサカの特徴のコウカンチョウ(Red-Crested Cardinal)は南米の原産で、16〜17cmほどになります。幼鳥は明るい茶色をしています。各島に生息しますが、ハワイ島ではほとんど見られません。キバシコウカンチョウ(Yellow-Billed Cardinal)は他のコウカンチョウと異なり、比較的最近(40年ほど前)に持ちこまれた鳥で、南米の原産です。体長はコウカンチョウと同じか、わずかに小さい程度です。
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キバシコウカンチョウ |
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郊外か森のなかまで広く分布するのが日本を含む東アジア原産のメジロ(Japanese White-eye)です。日本では希少種扱いですが、ハワイでは増えすぎたため、害鳥扱いというのが皮肉なところです。体長は11〜12cmほどでもっとも小さな野鳥のひとつです。
シリアカヒヨドリ(Red-vented Bulbul)はオアフ島に多く見られますが、マウイ島を除くその他の島にも生息します。郊外が主な生息地ですが森でも見られます。体長は20cmほどで、インドの原産です。雑食性で果実などの被害があるため、害鳥に指定されています。似た仲間にコウラウン(Red-whiskered Bulbul)がいますが、オアフ島に少数が生息するだけなので、見つけるのは難しいでしょう。
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シリアカヒヨドリ |
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ハワイにはこの他にも多くの街の鳥、郊外の鳥がいます。鳥のガイドブックも豊富に出版されていますので、これを機会に探鳥を楽しんでください。
トップページの写真はアカハラシキチョウ(Shama)です。郊外から山麓にかけて生息します。人の近くに寄って来ることが多いですが、好奇心からではなく、縄張りを主張しての行動です。
次回は鳥たちの世界(5)と題し、水辺の鳥を中心にご紹介します。 |