今なお活発な火山活動を続けるハワイ島のキラウエア火山。この一帯は同じハワイ島にあるマウナ・ロア山とともに1916年にハワイ火山国立公園に指定されました。また、1987年にはユネスコの世界遺産(自然遺産)にも登録されています。
キラウエア火山周辺の写真をアロハカワラ版スタッフが撮影してきましたので、皆様にご紹介したいと思います。関連するバックナンバーもあわせてご覧ください。
1.ビジター・センターとボルケーノ・ハウス
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ダイニングからのキラウエア・カルデラの風景は圧巻です |
国道11号線よりハワイ火山国立公園の入り口を過ぎるとまずあるのが、ビジターセンター。さらにその先にはボルケーノハウスがあります。
ビジター・センターには、キラウエアに関する展示や解説もあるだけではなく、アメリカの他の国立公園と同様にレンジャーが待機していて、色々な質問に答えてもらえます。
ボルケーノ・ハウスは、ロッジ風のホテルでレストランも併設しています。ここからの壮大なキラウエア・カルデラの光景は圧巻です。このホテルの歴史は古く、1824年にまで遡る事ができ、かつてはマーク・トウェインも滞在したことがあります。レストランのランチ・ビュッフェはなかなかの人気です。カワラ版スタッフは、衣がサクサクで肉はジューシーなフライドチキンが気に入った様子。
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2.キラウエア・カルデラとハレマウマウ・クレーター
キラウエア火山の中で最も知られているのは、広大なハレマウマウ・クレーターを含むキラウエア・カルデラの雄大な景観でしょう。
ハレマウマウ・クレーターには、火の女神ペレが住むと伝えられ、今でもハワイの人々が供えたペレの好物だったと言われているジンと花が途絶えることはありません。
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3.キラウエア展望台とハワイ火山観測所、ジャガー博物館
キラウエア展望台からはハレマウマウ・クレーターをはじめ、キラウエア・カルデラが一望できます。展望台はハワイ火山観測所に隣接し、地質学者のトーマス・ジャガー博士の名を取って1987年に開設されたジャガー博物館も隣接しています。標高1,243mのキラウエアの山頂はハワイ火山博物館の裏手にあるそうです。
博物館内部には、噴火の爆発力で溶岩が引き延ばされた髪の毛状溶岩「ペレの髪」や、溶岩がまるで涙のように固まった「ペレの涙」など、様々な火山活動の結果生まれたいろいろな形の溶岩が展示されていました。溶岩の形状までもペレに結びついているところがとても面白いですね。
また、ジャガー博物館の外側の溶岩石で作られた柱も注意して見てください。柱を覆っている溶岩石を良く見るとグリーンサンドビーチで見られる緑色の粒を見ることができます。
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4.サーストン・ラバ・チューブ
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観光客も気軽に見学できるサーストン・ラバ・チューブ |
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サーストン・ラバ・チューブは、かつて溶岩が流れた跡にできた洞窟です。噴火後しばらく経つと溶岩流の地表面は冷えて固まっても、その内部の溶岩はすぐに固まることは無く溶岩は流れ続けます。その結果、溶岩台地の下に、地表面が固まった後に流れた溶岩による洞窟ができるのです。
近くには、以前アロハカワラ版の「ハワイ島日和」でNOPUさんが紹介してくれたキラウエア・イキのトレイルのスタート地点もあります。
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5.溶岩流に飲み込まれた村、カラパナ
かつて美しい黒砂海岸があったカイムからカラパナの村一帯は、1990年の噴火で村の大部分が溶岩の下に埋まってしまいました。今は真っ黒な溶岩が広がる台地です。写真のカラパナ村の教会跡から先は、私有地のため立ち入ることはできませんが、今回、カワラ版スタッフは立ち入り許可を持つツアーに参加したため村内を見ることができました。かつてのカラパナの村は、見渡す限りの溶岩台地と化し、遥か彼方に海に注ぎ込む溶岩流が大きな噴煙をあげています。
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ラバ・チューブと同様に表面が固まり、内部の溶岩が流れ空洞になったところ |
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溶岩はガラス成分でできているため、上を歩くとガラスの上を歩いたような、ジャシジャシという音がします。転ぶと怪我をするので、ツアーでは手袋を渡され、みな慎重に歩を進めていました。こんな溶岩だらけの大地ですが、ぽつりぽつりと家が建っており、人が住んでいます。こんな水も電気も通っていない場所に住めるのは、溶岩が流れ込む以前から住んでいた村の人でしょうか?
溶岩の上に立っていると、強い日差しに照らされて大変暑いのですが、海からの強烈な風が暑さを緩和してくれました。
今日も少しずつ拡大するハワイ島は、火山活動を身近に観察し、地球のダイナミックな息吹を感じることができる場所です。周辺には、まだまだ興味深いスポットやトレイルがたくさんあります。ハワイ島にお出かけになる前に、ぜひ、アロハカワラ版のバックナンバーで研究してみてください。
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(掲載日:2006年8月3日) |